バリの何それ?!第83話2007.07.27発行

続きが気になる話〜カニオの運命やいかに?!〜

インドネシア・バリ島での摩訶不思議体験談&失敗談&バカ話

日本にも昔話があるように、バリ島にもいろいろな昔話や民話がある

最近ふと、途中聞きになっていたある昔話の続きが気になって、
本屋へその本を探しに行った。しまった!本の題名を覚えていない…。
そもそも、題名のある話だったのだろうか?…いや、
本にすらなっていない、語り継ぎの昔話だったかもしれない……。

気になり出すととことん気になる性分なので、以前その話をしてくれた
本人、バリ人のおばあさんを訪ねることにした。

 

●続きが気になる話●とは、こんな昔話である----------------------------

昔あるところに、たくさんの赤い蟹と一羽の白い鳥が住む島があった。

赤い蟹一匹一匹はとても小さく力も弱いが、たくさん集まると、その攻撃力は
サメをも倒す。白い鳥はココカンに似た大きい鳥で、とても頭がいい。

蟹たちはその島の南側、白い鳥は北側で…と住み分けていたが、
鳥は空を飛べるので、蟹の住む場所へしょちゅう遊びに来ることができた。
しかし、蟹は空を飛べず、体が小さいので、島の反対側まで歩いて行くことも
海を泳いで行くこともできない。蟹たちはいつも白い鳥を羨ましく思っていた。

ある年、その島は食料難に襲われた。腹をすかせた蟹たちに白い鳥が言った。
「僕の住む北側はパラダイスだよ。むこうに行けば、食べ物に困ることはない。
君たちは空を飛べないから、僕が一匹ずつ口にくわえて運んであげよう!」と。
蟹たちは喜んでクジ引きで運んでもらう順番を決めた。

みんなが喜んでいる中、一匹だけ、白い鳥の行動を怪しいと思った蟹がいた。
カニオ(名前忘れたので仮名)だ。カニオは、「妹が北側へ行ってから1週間
も経つが、いまだに戻ってこない。妹は、食料を持ってすぐ帰ってくると約束
したのに、翌日戻ってきたのは白い鳥だけだ。」と友達に話した。しかし、
友達は皆、「こっちに帰って来たくなくなるほど北側はパラダイスなんだよ。」と笑った。

やがて、カニオが運んでもらえる順番になった。白い鳥に不信感を持つ
カニオではあったが、妹が心配なので一刻も早く島の北側へ行きたかった。

空を飛ぶ白い鳥のくちばしの中から下界を覗き見たカニオは、仲間の蟹の死骸
で真っ赤に染まった岸壁に気づく。白い鳥は蟹たちを騙していたのだ!一匹ずつ
パラダイスへ運んであげると言って、本当は蟹を食べていたのだ・・・・・!

さて、カニオの運命やいかに…?!

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なぜ、あの時、昔話を最後まで聞いておかなかったのだろう…。
話をしてくれたおばあさんを訪ねたら、数ヶ月前に亡くなられたという。
おばあさんの家族に昔話の続きを聞きに来たという事情を話したが、
家族の人たちは、誰もそんな話は聞いたことがないという。

カニオ話は、おばあさんの作り話だったのか、バリに伝わる昔話だったのか?
今となっては、カニオの運命とともにナゾのままである。

 

※後日、ばびばび通信読者さんから、ばびぐりん掲示板にカニオ情報を投稿いただきました。
「カニと白い鳥がケンカしている」カマサン・スタイルの絵画を所有されているそうです。
[参考]…アート・ルキサンさん