バリの何それ?!第57話2004.07.15発行

乾季だから雨はナイ?〜裏社会のカラクリ〜

インドネシア・バリ島での摩訶不思議体験談&失敗談&バカ話

今、バリ島は、一般的に過ごしやすいと言われる乾季である。
バリ島といっても地区によって、また、日中と夜では全く異なるが、
日本の真夏よりはバリ島の乾季の方がうーんと涼しいと思う。

今度バリ島旅行に行くという『ばびばび通信』読者さんから
「●乾季だから雨はナイ●ですよね?!」といった質問メールをよくいただく。
せっかくの旅行なのだから、雨には降られたくないという気持ちはよくわかる。
しかし、これは滞在地区にもよるし、何より“運”だ。
お出かけ前に気象協会tenki.jpなどで確認するしかない。

乾季でも、降るときはバケツをひっくり返したような大量の雨は降る。
これまでのhappyの経験では、ドシャーと降る乾季の雨はちょっと雨宿りすれば止む。
ところが、シトシトと静かに降る雨は長時間になることもある。

そんなシトシトな雨の日に限って、その地区でガベン(葬式)が予定されていたりする。
バリ人は言う、「誰かがマンクーに雨乞い祈祷を依頼したな。」と。

Gaben トラックに乗って葬式に向かう

バリの葬式には大金がかかる。大金がかかるから個人で葬儀は出さず、
村全体で金を出し合い、まとめて合同葬儀を行う。(*『置いてきぼりの死体』参照)

ところが、村人の中には、出資するお金がなく「今、葬儀をやられては困る」
という人がいる。そこで、ガベンが1日でも先送りになるよう、マンクーという
不思議な力を持った祈祷師バリアンとは少し職種が違うらしい)に頼んで、
予定のガベンを雨天延期にしてもらうことがあるというのだ。

しかし、ガベンを予定日に実行したい人もいるわけで、そちらはそちらで
また別のマンクーに、その日が必ず晴れるようにお祈りしてもらう。
こうして二つの相反する力が戦って、より強いパワーを発したマンクーの勝利となる。

だからバリ島では、こっちの村は雨なのに、そっちの隣村では晴れていることがある。
それは誰かが意図的に雨を降らせたり止ませたりしているのだという。

当然、雨を降らせたマンクーは依頼人から報酬金を受け取る。
1回いくらくらい支払うのかは知らないが、マンクーに支払う金があるのなら、
素直に葬式代を出せばいいのに…と思うのは、私が
バリ島の裏社会のカラクリを理解していないからだろうか?

気象予報士がいくら頑張ったところで、太陽と雲がいくら自然の流れのままに
生きようとしたところで、バリ島のびっくりカラクリには敵わないのか?!