バリの何それ?!第50話2004.01.27発行

ウブドは何故ウブド?〜ウブド変格活用〜

インドネシア・バリ島での摩訶不思議体験談&失敗談&バカ話

バリ島の有名観光地の一つに“ウブド”がある。

バリの石や神様の話は大好きだが、歴史や地理にはあまり興味がないhappyなので、
●ウブドは何故ウブド●というのか?など今まで考えたこともなかった。
日本人向けのガイドブックや刊行物に一般的に、カタカナで“ウブド”と
書かれているので、「そういう地名だ」ととらえていた。

しかし先日、現地旅行社(サクティ)から依頼された
ホームページ原稿を訳す時に「ubud」を「ウブド」と読んだら、
「何故、日本人は“ウブド”という地名を作ったのか?」と聞かれた。

彼らバリ人が言うには、「日本人がubudのことをウブドと呼ぶようになって
から、今ではバリ人の若者までもがウブドと言うようになっている」のだそうだ。

では、バリ人は正式にウブドを何と呼ぶのか?
→答えは「ウバッ」らしい。

バリ語は各地区によって微妙に発音や表記が異なるので、
「ウバッ」には限らないかもしれないが、由来は“薬”(オバッ)である。

 

むか〜し昔、ウブドはバリの薬の売買・流通の中心地だった。
なぜなら、ウブドにはどんな病気も治すという川があったから。
薬作りの原料となるその川の水を採りに薬商人が集まる土地として
「オバッ=ウバッ」となった。

時が過ぎ、最近になって日本人が発音しやすい「ウブド」となった。
バリ人も最初は可笑しいなぁと思ったが、今では訪れる日本人
皆が「ウブド」と発音するので、「ウブド」が定着してしまった。

ちょっとした発音の違いだが、「ウブドゥ」「ウブッ」と言う人や、
そう書かれている刊行物も多い。

ウブドゥ・ウブド・ウブッ・ウォバッ・ウバッ・ウバット…、
ア行五段活用ならぬ“ウブド変格活用”なるものが出来てしまいそうだ…。

 

ウブドの由来となった“薬の川”は今もチャンプアンという場所にあるらしい。
以前、バリアン(注参照)に「薬の川で水浴びすると健康になるぞ」
と誘われたが、人里離れた場所とはいえ、野外でハダカをさらせるほどの
勇気はまだないのでお断りした。

 

*注…「バリアン」とはバリの祈祷(奇術・占い)師
冠婚葬祭にはなくてはならない人物であり、村の医者や裁判官のような役割をする。主にお祓いや
儀式の進行が仕事だが、呪いを解いたりかけたり、白と黒(右と左)の魔術を使うバリアンもいる。